富士写ヶ岳の麓で、
目の高さに鳥の巣を見た。
太い枝を荒組みしたもので、
ハシボソカラスの巣だったろう。
なんだか惹かれてスケッチをしているうちに、
ふと、その中に籠ってみたい誘惑にかられた。
こころの裡の幾つかの卵めいたものを孵してみたかったのか、
ひなのような自分を巣立ちまで何かに育てて欲しかったのか。
右の鳥の巣の作者(?)はメジロ。
直径9cm、深さ4cm。きれいなお椀型。
友人が拾ってふうらの宿にしていたらしい。
それを嬉しがり羨ましがるとプレゼントしてくれたもの。
こっぽり収まって、ふうらは大空の夢でも見ているのだろうか。