寒山
中国唐時代の伝説の人物。
天台山に隠棲。
寒山詩なるものが伝わる。
巌に棲み、
詩を書き、
月に嘯き、
道を楽しむ。
古来文人の憧れであり、
禅家にも信望者は多い。
実在の人物というより、
もとは山棲みの一隠士でもあったろうか、
そこにいろいろのイメージが上張りされ、
それぞれの本望を託された詩群によって、
<寒山詩>が増殖し、<寒山>が進化し、
そして、独立した偶像になった。
まあそんなことはいいから、
寒山さんがいて、
拾得さんがいて、
この惑星で自由天真に生きたことがなによりである。
図版:池大雅「寒山」