五百風羅
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奥能登の山中に、龍昌寺という禅宗の農業寺があります。
現在4世帯25人が共同生活を営む、学道と生活の場です。
そこに炭焼き窯と土焼き窯が、兄弟のように一つの小屋に同座しています。
その弟分の方の窯(倒炎式薪窯)で、ふうらは炎に巻かれて生まれてきます。
窯の中は1000度以上のゴォゴォたる炎熱の世界、
小屋の外は氷点下、星と霜が天と地で相瞬く世界、
宇宙と、自然と、人間の、それぞれのエネルギーがフル回転しています。
そうなったら、ふうらが灰釉でどんな表情になってこようともういいのです。
土も驚きです。火も驚きです。一瞬のうちに灰と化す木も驚きです。
そうして、人間もまた驚きです。
窯を一緒に焚いていると、いつもそんな気にさせられます。
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