風羅草紙

青露

画・青露



露の消息 − 川端茅舎

 土用なかばの秋風といふ言葉があるけれども、露も七月から既に秋の気韻を帯びてゐる。七月八月の露は溌剌としてゐて新鮮でコクコクと飲みたいやうである。全く甘露のやうである。
 今朝から改めて露を見直すつもりだけれど別に変りもない事と思ふ。
 明方大露(昨日よりやや小露)芭蕉の面の露が昨日の方が大粒で今朝のは南京玉程である。大露小露は露の世界全体をいふので露の大粒小粒に関係ないのだけれども芭蕉の面の粒で全体が分る事があるのである。
 六時半芙蓉の露消滅。七時芭蕉の露消滅。(8月7日)

−現代俳句の世界3「川端茅舎集」朝日文庫



露表紙次頁(白露)

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