故園蕪村に遊ぶ -2
短夜
もの思いの果てに
表へ出てみた
一寸の
毛虫の恰好でとは
気が付かなかったが
外は涼しく
草木は眠り
炭酸の夢も茂っていた
さて
わたしの恋はどうなるか
はて
わたしは恋などしていたか
短い夜の
星々のさざめき
なにやら
わたしも煌めいて
からだの芯から
明けゆくように思った
「みじか夜や毛むしの上に露の玉」
蕪村
(c) kotaro izui
目次
/
前頁(山彦)
/
次頁(踊り)