星の句抄・秋

[冬][春][夏]

明星や露けきまでの私語(ささめごと)

哀しさもまた光速の天の川

夜の稲に星も光を降りそそぐ

月清か鳥人ブブカ地を離る

星の名を唱へてをれば鉦叩

長き夜の色鉛筆と星図帖

虫鳴てアンドロメダの火も幽か

林檎たわわ宇宙ひたすら膨張す

美しき星連れ添ふて秋闌けぬ

小鳥来る夜のオリオン大星雲

北極星雁渡らせて寂しめり

末枯の野に鯨座のだだ広き

艸々子

背景写真:昇るアンドロメダ星雲  金沢市医王山 1990

[星の句抄・冬][星の句抄・春][星の句抄・夏]

[俳句] [nature][貘祭書屋]