星の句抄・秋
明星や露けきまでの私語(ささめごと)
哀しさもまた光速の天の川
夜の稲に星も光を降りそそぐ
月清か鳥人ブブカ地を離る
星の名を唱へてをれば鉦叩
長き夜の色鉛筆と星図帖
虫鳴てアンドロメダの火も幽か
林檎たわわ宇宙ひたすら膨張す
美しき星連れ添ふて秋闌けぬ
小鳥来る夜のオリオン大星雲
北極星雁渡らせて寂しめり
末枯の野に鯨座のだだ広き