鳥の巣風羅
野山は鳥たちの繁殖活動でエネルギーに満ちています。
けんめいに囀り、巣材を集め、卵を抱き、餌を運びます。
そんな季節、ふうらもまた自らの孵化に入り、
じっとおぼろな何かを暖めつづけることがあります。
鳥の巣籠を真似た、これも一種の夢籠なのでしょうか。
きのうまでなかった、こころの芽、こころの卵。
それらは目に見えません。手で触れられません。
どんなものが孵ってくるのかも解りません。
孵すのも自分、孵るのも自分、
と、ついそう思いがちになりますが、
どうやらそう独りきりの仕事でもないように思えます。