ふうら草紙

草筆

ツクシも筆の仲間、何か描いてみたくなります。たくさん生えている中から茎のしっかりしたものを選びます。それでも日を跨ぐとくにゃり萎れるので、その日のうちに使用しなければならない一日筆です。


土筆


春だから青墨を磨って、画仙紙を広げ、まずは土筆で描く土筆の絵。自画像ってわけでもないけれど。


寒山拾得


次は、寒山拾得。以前にスカンポで描いて以来。呵呵草笑のお二人。


詩


自作詩の一節。「躁の蛙も/鬱の蛙も/高く跳ぶ」。
思うように運ばない筆なのに、いや、だからこそ「鬱」というややこしい字を書きたくなったのか。エディタに72ポイントで大きく表示、文字確認してチャレンジでした。


土


絵手紙用の葉書に一字。土一字は榊莫山の仕事にありましたが、ここは土に生える筆だから、ツクシの愛と敬意を籠めて。


春


ツクシの季節。なにやらニシキギのような「春」になってしまいました。
少し使い込んで穂先が潰れたあたりから、妙な味を出して来るようです。


樹


土筆はまっすぐ天に伸びて林立する。木には憧れもあるだろう、と勝手に。
「樹」の一字は、雑誌「樹」に連載していた篠田桃紅の書を思い出します。


草


葉書が尽きて台紙にまで。「草」の一字になると(艸々子は)帰家穏坐の感。それにしては硬い表情だけれど、土筆で漢字を書くのは存外面白い。


   *


初めて土筆で描いた絵と、その時のことを綴った詩。

   土筆



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