木蘭の実が三つ。拾って置いたから絵を描けというふうに並べてありました。墨を磨って、一番手に馴染み、線を引きやすそうなのを筆にして、用紙は前回土筆で楽しんだ葉書を使用しました。
描き味は、筆というよりペン。竹ペンや、泰山木の実と同様、自分の筆跡が出すぎて、それほど面白くはありません。以前に一度使ったことがあるので、それは承知の上で、好きな文字を二つ、樹と鳥と。
文字はそれだけにして、遊びの少ない筆なので、簡素な線で楽しむにはやっぱりふうら……となりました。
一枚目、なぜか、鳥になりたそうなふうら。
二枚目。鳥のひなのようにとろんとしたふうら。
三枚目。鳥になって鶴か、鵠の鳥のつもりのふうら。
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木蘭は蕾の頃に見ると、珍しい鳥のようで、開くとまた華麗に飛び立っていきそうな花びらを持っています。そんなところから「鳥」の字を選んだのですけれど、絵はそれとは無関係に描いたつもり。これはやっぱりふうらが鳥に憧れているのでしょう。
2006年、もう十年前の春、レンジャクを見た日に撮った一枚の写真を最後に。