ふうら草紙



草筆

書き初め―月下美人筆 2013.1.2



ビリー・ホリディの「ホワッツ・ニュー」で始まった2013年。
目覚めはヒヨドリの「イイトシー、イイトシィー」の叫び声。
初夢は大きな鳥やら人のレリーフ、彫刻のある城壁遺跡。

二日は書き初め。
ずっと使ってみたかった月下美人の花筆を試すことに。
二茎ある内の一つにお願いして墨にひたす。
パリパリに枯れているので、腰も弾力も何もない、
まずは「月下美人星」と書いて、次に「南極老人星」と書く。
南極老人星は竜骨座のカノープスのことだが、
月下美人星は本日対になった造語で、
イメージとしてはやはり南のスピカかフォーマルハウト。


美人星



さて、月下美人は書き手につれなく、
力を入れれば折れそうで、筆としては難儀な相手。
文字は結局タイサンボクの筆に頼った。
それでも一枚なんとか開花時の詩句を書き付けて、


句



次は美人画にトライ。
全く言うことを聞かない筆で描かれる明治の美人も気の毒
とは思いつつ、ここは
美人筆で描く美人画というのが肝心で、出来映えは二の次。
許されよ、月下美人殿、明治美人殿、と念じつつ一枚。
(はずかしいから、誰を描いたかは言わぬ)


美人



最後はこれも初めてのトライ、「南極老人」。
粘土の頃から作ってみたいと思っていた人物。
自分の寿命が気になってくると妙に親しみが湧くのか。
大雅翁の絵を参考にしょうと思ったが見あたらないので、
これは竹筆でふうら顔で登場ねがった。


南旅





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