樹心





 10月29日


この地では珍しい寒雷、霰などもあって、天候が回復すればすでに晩秋。
道路沿いの金網に絡みついたノブドウ、ヤマノイモ、スズメウリ、ガガイモなどの蔓類を眺めながら、道の果まで。その辺りに繁茂していた仙人草は刈り払われ、柿の木ばかりが秋を歌っていた。





柿の木はどのふうらも好きだけれど近寄れない。細い山径を登ったところに広場があり、神社があり、端の方に夕日に照らされた一樹が立っている。ふうらもその根元に佇んで同じ夕日を浴びた。





気心の通じる木と、そうでない木があるだろうか。ふうらはしばし黙想する。「いやいや無想である」…のかもしれない。





ふうらの中には、樹齢千年のケヤキの虚(うろ)に住みついたものもいる。



桜紅葉  冬の踊子




ふうら逍遥