羅漢と風羅と鳥羅と 1月4日 |
初詣。住吉神社。 年頭の獏の顔を拝む。 (初夢はピアノ・ライヴだった) お神籤…大吉。 羅漢寺へ。 柔らかくいい声で鳴く鳥。 らかん一人一人の目鼻がいつになく明瞭。 定点観測ではないが、この人だけは毎回写真を記録。 以前より左頬の赤みが薄れてきたようだ。 境内の切り株で。 年輪を感じながら、松の目指したであろう天を望むふうら。 今季羅漢場逗留のシロハラ。 お神籤を結んである格子戸の上でゆったり。 鳥羅と言ってもいい風格だった。 |
らかんかんなん 1月14日 |
とんどに行ったついでに、羅漢寺まで足を延ばす。 ちょっと確認したいことがあっただけなのだが、 夕日が射し込んでいい雰囲気だったので撮影も少し。 表情にも佇まいにも気品ある羅漢ふたり。 左は女性像だとも言われているひと。 右は古代的な愁いを感じさせるひと。 このふたりはいいカップルになるだろうと眺めて、 初めて中のひとの異変に気が付いた。 あれ?左と中の両人の写真を撮ったはずだ。 白い椿の下で困惑した顔を見せていたはずだ。 |
羅漢寺生まれのスズメ 5月6日 |
新緑の羅漢寺。 高松山ではクロバイの花を識ったが、 ここでもヒメウツギ、ハクウンボクと白い花との出会いが続く。 スズメが一羽、西六列目の石仏たちの足元を ちょんちょんちょんと、端から端まで渡っていった。 薬師堂の軒からは雛の声がしきりにする。 五月、 簡素な線の、 耳目楽しい羅漢たち。 |
日食 7月22日 |
日食の羅漢寺。 塀に映る木漏れ日を撮りたいと思っていたが、生憎の曇り。 用意したピンホールも無効。 がっかりしていると住職が煤ガラスを貸して下さった。 ほんの偶に雲の薄い切れ目が来る。 最大食分(84%)前の、 濃いオレンジ色の三日月形の太陽。 皆既日食は1958年以来の体験。 小学生だったが、 最大食分時に急に気温が下がり、風が出たのをよく覚えている。 帰りにもう一度、 これは羅漢たちが見せてくれたのだと感謝した。 |
羅漢と小雀 7月23日 |
雨の日々で苔むした羅漢が多い中で、 このひとは太陽のように橙色に輝く。 日食下に会うと、また不思議な感慨。 別の羅漢の頭に動作のおぼこいスズメが1羽、 つっと楓の葉隠れに移ったが、 境内で遊び馴れたふうに見える。 薬師堂の軒で鳴いていたヒナかもしれない。 天女(屋根の上)と獏(虹梁の木鼻)と たくさんの羅漢がともだち。たいしたスズメだ。 |
千灯会・画力前進 8月8日 |
羅漢場はローソクに彩られて、年に一度の賑わい。 風で消えるものが多く、二人のこどもが熱心に火を補っていた。 カップに書いたそれぞれの願いが、あかあかと揺らめく。 右端は「画力前進」。 この三つ、羅漢さんのどなたか、叶えてあげて下さい。 |
小春日和、羅漢日和、団栗日和 11月6日 |
小春日の羅漢寺。 朝霧に濡れたらかんたちがようやく暖まって、 あちこちでほぉと溜息をつく音が聞こえるよう。 午前中に来ることは少ないので、東側から一人々々、 光と影の佇まいを拝ませていただく。 時々、ぽとん、ぽとんとドングリが落ちる。 西側に来て初めて、 いつも(午後)は影の中に佇む一列に光が当たっているのに気付く。 どなたも嬉しそう、では撮影をというタイミングで電池切れ。 チャッ、チャッ、とウグイスの茶化し。 小春日や…… 笹鳴きや…… 宗匠頭巾を被ったような羅漢さん、一句詠んでみよとおっしゃり顔。 |
怖す也年暮るよとうしろから 太祇 12月29日 |
らかんは幾多の年を送ってきたのか。 どこか遠くのすぐを、 或いはすぐの遠くを見る眼。 |