落伍羅漢とは?





 9月17日


羅漢寺へ萩を見に行く。午後四時を過ぎても30℃を越えて、休み休み、水を飲み飲み……。
羅漢たちも暑さをこらえて、秋に佇む。萩はまだほんの咲き始め。








本日のもう一つの楽しみは、このひとに会うこと。写俳の伊丹三樹彦の全句集の箱と表紙を飾った羅漢。この顔は、羅漢寺の大黒さんも「ああ、いらっしゃる」と。
暗めで青っぽく写っているのはストロボを焚いたためか、自然光で見ると明るく柔和な表情。この二枚の間には30年以上の隔たりがある。






全句集には、播州北条羅漢と題して12句がある。
  縅銃 羅漢の形相みな異なる
  穂芒が撫でて 羅漢の仏頂面
  秋光の遍し 落伍羅漢にも
落伍羅漢とは、どういう羅漢を指すのだろうか?
別の頁に、
  羅漢らが天を仰げば 合歓の花
このネムノキは枯れてもうない。実生の二世が育っているが、狭い羅漢場では行末はどうだろう。










秋暑の羅漢  小春の羅漢




北条石仏