- 茫々日誌 -


(4.19〜5.6)

2(5.7〜5.17)  3(5.22〜5.30)


4月19日

そろそろと展覧会の準備。ひとわたり額に入れてみて大まかなイメージを掴む。今回は春の草や木の筆で描いたもの中心。二枚組も幾つか。




4月27日

夕方たっぷり雲雀の歌を聴いて、夜は展覧会準備。草画47枚、色紙10枚、本画3点。縁側を使ったミニギャラリーだから、どれだけ並べられるか。ふうらの陶像も何人かは参加予定。

4月28日

搬入を済ませました。
明日から「らかん茫々」展。
北条石仏にも、よろしくお願いしますと挨拶してきました。




4月29日

羅漢寺ギャラリーです。向こうへ抜けて石仏の並ぶ羅漢場に。ガラスで見にくければ戸をあけて観ることもできます。緑がいっぱいで、クロジのメスらしい顔のが一羽、あたりを徘徊したり、庇を音立てて歩いたり。




はがき額がけっこう並びました。らかんさんが立っているみたい、と大黒さんに言われて、ざっくばらんのままにしました。25年間石仏を見守ってこられた方の感想で、なにやらほっとするものがありました。




ある絵描きさん特注の色紙屏風が羅漢寺ギャラリーにあって、それに飾らせてもらいました。陶像の一人が腕に抱えているのは、境内で見つけた、ツルニチニチソウの白い花。




北条五百羅漢。ふうらのルーツの石仏です。午後遅くから雨でしたが、さすがにゴールデンウイーク、来訪者が絶えませんでした。その中には「かわいいー、かみさまだあ」とか言いながら五体投地する少年。古代美術が大好きだという高校生は祖母─母親─娘と女子三代の主役で。




4月30日

昨日、今日の雨でしっとりした石仏たち。カワラヒワの囀りが聴こえました。




今朝蕾が開いたというイワチドリ。ご厚意で飾らせてもらいました。羅漢寺にはいろいろな野草が住職さんの丹精で咲いています。




5月1日

このひとたちは幾つの時代を経てきたのか。芭蕉の元禄も蕪村の天明も生きた、時の旅人。




今日から咲いたというアカバナユウゲショウ。




時は春、
日は朝、
朝は七時、
片岡に露みちて、
揚雲雀なのりいで、
蝸牛枝に這ひ、
神、そらに知ろしめす。
すべて世は事も無し。
 ──ブラウニング「春の朝」上田敏訳

境内でカタツムリに逢ってこの詩が口をついて出た。サンザシを這うと別の訳にはあるが、ここではナンテンの枝。雲雀も鳴いた。




5月2日

久し振りに晴れて、朗らかな空気が境内にありました。緑も美しく、だれか麗しい声で囀るものもいて。




昨日は見なかった黄色。境内でタンポポは珍しい。このひととは長い付き合い。一緒に英語を覚えた頃から(?)の顔見知り。




「とろん」と「ぽかん」。




ベンチの上の庇でコトコトするのは、この後うしろの庭三メートルくらいの処でずっと採餌していた、アオジのメスだと思う。




ふと振り返ると木の枝で「5」と書いてあった。 アオスジアゲハ、ルリタテハとは今年初めて逢った。




5月3日

散歩コースだから午後にふらっと寄っています。今日は縁に座って、このひとたちとしばらく対面していました。 (写真はつれあいのを借りました。ぼくの古いiPhoneではここまで撮れない)




写真左はツワブキで描くふうらかん。 写真右はタンポポで書く「悲」字。 こんな風に描くんです、と参考までにお見せしています。




5月4日

羅漢寺にはこんな容貌のひともいます。北条石仏はその造立も由来も一切が謎に包まれています。昔から作者渡来人説がありましたが、キリシタン石仏だという説も近年あるようです。仏教とか羅漢とかに拘らず、クリスチャンの方にも観ていただきたいと思います。




このひとが、こんなに明るく照るのは珍しい。最前列にいて、木々に光を遮られていることが多いので。詩集『春と石仏』の表紙に佇んでもらっています。 雨の続いた後の五月の光はほんとにきれいです。これからしばらく好天続き、今度は石が渇いていくのでしょうけれど。




「羅漢」と「茫々」。 羅漢は、ラカンマキの葉で。 茫々は、クズの蔓の先を筆に。 草木で描くことはずいぶん面白がられています。会場には「草画帖」も置いてあります。四つ葉のクローバーと大王松のマツボクリはお土産。




「おっ、上手」と小学生男子にほめられた一枚です。絵が、というより、笛が……ならうれしい。いつかの春に満開のコブシに合わせて歌ってくれたアオジに捧げた演奏。そのコブシも伐られ、小枝一本の筆が形見となりました。らかん茫々展初日からいたアオジは旅立ったのか、今日は姿がありません。




5月5日

こどもたちに摘んだ(六角文庫の)四つ葉五つ葉。花は、ひょんなことから永田萌さんの実家のクローバー。 絵は、描き終わってどこか星の王子さまに似ているなぁと感じた一枚。広い太陽系にはシュンランが友だちの王子さまがいる小惑星があってもいいですよね。筆は春蘭です。




羅漢と言うより、森の小人か妖精に見えるひと。少し風化剥落が進んできています。十年前の愛らしい姿はこちらにあります。 「らかんノート 1 こどもの日には」




5月6日

急に風が渦巻いて、雷雨になった。青年が一人訪ねてきて、小降りを見計らって羅漢場へ。




昨日、羅漢寺からの帰りに連れて行って貰った六地蔵。不思議な造形。江戸時代初期のものらしい。 Ω (オメガ)型地蔵とキリシタン研究者は分類している。以前から観たかった異形仏で、偶々。こんなことがあるからこどもの日はいいね。ウグイスがいい声で鳴いていた。







Ω 型地蔵ではないけれど、縄跳び風羅。クローバーの花筆。 こどもの日、「Ω」、ふうら、絵本……などのファクターが一体となって、こんな作品になった。






茫々日誌 2(5.7〜5.17)

茫々日誌 3(5.22〜5.30)



草人艸墨展入口  展示ギャラリー