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ディック2
晴天の
霹靂で
人生幕を閉じる
――ってことがある。
いや、
そんなことはなかろう。
曇天にいたか、
もしくは
天気が崩れていくさなか。
寒い、
暗い、
大気の不安定な環境が、
かれを
ぼくを
取り巻いていたはずだ。
けれども
晴天はあった。
笑顔もふんだんにみせた
と思う。
未来は
予測もつくし、
またつかないけれど、
ぼくはともかく
かれにはやっぱり
晴天の
で
なければ曇天の
それとも荒天の
霹、
靂、
だったのではないか。
泉井小太郎 春とピアノ―[TOP][表紙][目次][前頁][次頁]