森羅万象は、ただ一念の「南無阿弥陀仏」。
一遍さんの唱えたこの六字、誰にも平等で、
踊ることには、財も名も力も要りません。
中世無常世界から導き出された、
美しく簡素な一遍さんの解と式、
20世紀のもう一つの解と式。
アインシュタイン博士もまた、
シンプルに宇宙の摂理と平等を説きました。
それはともかく、この一遍さん。
一心に念仏を唱えてしばし、
熱くなった体がゆらりと傾き、
これから踊りの所作に入っていくところ。
そんなつもりの白い造形です。
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