万両、万両 3月21日 |
久し振りの遠出。 ふうらを連れてくれば良かったな、と バッグを探ると隠れていらっしゃった一人、 マンリョウの下で春をいっぱい呼吸していただいた。 「千両、千両」と喜ぶ井月に倣って、 「万両、万両」とおっしゃった。 |
イカルの「いいとこ音頭」とふうらの「播磨の四月」 4月1日 |
午後から相棒と自然散歩、城山の麓の林道を歩く。 段々畑ならぬ段々池が四つ、 川崎ナンバー、大阪ナンバーの車が止まって魚釣り。 播磨の野池群は釣り人に人気があるらしい。 対岸の一際高い梢でアオサギが巣作り。 もう抱卵に入っている♀もいるようだ。 林道の奥から麗しい声で誘いを受ける。 今年初めて聴くイカルの囀り。 イイトコネー、イイトコネーと名調子にうっとり。 ギル・スコットみたいなヘロン声ではなく、 ザ・ピーナッツのような美声の《いいとこ音頭》。 誘われてついつい山径深く分け入った。 猪用の大きな檻を見かけたが、 狐にも狸にも化かされず、鹿の足跡を発見しただけ。 帰りに寄った別の池にはイカルチドリが十数羽。 畑、道端にはホトケノザ、タネツケバナ、ヒメオドリコソウ。 ほっそりしたカンサイタンポポ。 スミレはかつてこんなに見たことがないほど道々に咲いていた。 林道の一処、落葉の上に鮮やかなツバキ数輪。 見上げるとぽつぽつと赤い色が点在。 この土地は昔からツバキが多く、 それを偲んで羅漢寺にも資生堂が寄付したという。 石川県津幡のきびねの大ツバキ、 つげ義春の「赤い花」などを思い出しながら帰り道。 写真は、春の夕べ、草笛を吹くふうら。 曲は《April in Harima》? ぐるり聴衆は、若い土筆坊と姫踊子。 聴いてくれてありがとう。 |
山頭火と四つ葉 5月20日 |
クローバーの杖は、ふうらの旅の友。 これまで多くのふうらが愛好してきたが、 四つ葉の杖を手にした者は一人もいない。 この夏、誰かそれを手にするのだろうか。 四つ葉をたくさん見つけた日は、4月28日。 愛好家たちの間で定めた四つ葉記念日であったらしい。 78年前の5月19日には、山口県の小郡の野辺で、 こ の 児 ひ と り こ ゝ で ク ロ ー バ ー を 摘 ん で ゐ る 摘 め ば 四 ツ 葉 ぢ や な か つ た で す か お 嬢 さ ん 通りかかったのは山頭火。「途上即事」として詠んでいる。 こんな日付の響き合いも面白い。 |
(金環)日食 5月21日 |
曇の予報が外れて晴。雲少し。 6:35 右上から一口欠けた姿を見る。 近くに観測場所を予定していたが、自宅横の空き地に変更。 小鳥の植えたピラカンサが一本あって、 その木漏れ日でも十分観察出来ることが判明。 おかげでコーヒーを飲んだり、 スクリーン用紙を変更したり、 ゲスト(?)をいろいろ呼んだりして楽しめた。 7:17:43 日食一時間進行。 ボードに映るピラカンサの木漏れ日。 進行具合はこれで測り、 時々日食グラスでオレンジ色の太陽を拝む。 7:29:34 最大食(0.932)20秒前。 二人でなにやら賑わっているので、 空き地の一画で花を育てている近所の人が見にいらした。 ボードに映った木漏れ日のピンホール原理を説明し、 日食グラスをお貸しして見ていただく。 あたりがやや暗くなって、温度も少し下がったよう。 7:48:29 ピークを過ぎて三日月形。 ボードの色を、白、灰、黒と変えて微妙な印象の違いを味わう。 先ほどの人が逆になった三日月形を見せてといらっしゃる。 ラジオでもずっーと日食の話題であるらしい。 観測仲間にはふうらも四人。 他に、与謝蕪村、セロニアス・モンク、ビリー・ホリデイのゲスト。 終了(8:53:50)まで待てずに引き揚げたが、 日食グラス以上に木漏れ日が楽しめた。 帽子を着忘れたこともあって、二時間弱、食の進行中とは言え、 やはり太陽光線は強いもので、さすがに疲れが出た。 |