2022年3月27日 |
一週間前(20日)に蕪村さんと春の野に出たから、今度は芭蕉さん。 奥の細道の出立は新暦の5月16日だけれど、旧暦のままに「弥生も末の七日」に小さな旅へ。 この芭蕉像は、奥の細道300年記念の日に作像、白山麓の登り窯で焼いてもらったもの。頭陀袋は友人が酒袋で作ってくれた。 さて、奥の細道333年後の第一歩はいつもの散歩コース。 畑の土筆を摘んで、棕櫚小路を抜け、空地のムスカリに寄る。翁は初めて見るだろう。紫の今昔のいろいろ。その向うにクチベニスイセン。薔薇小路に入るとハクモクレンが夕日に透けて幻想を咲かせていた。 酒見寺と住吉神社の境に架かる太鼓橋。その隣の草地でスミレに逢着。 山 路 来 て 何 や ら ゆ か し 菫 草 芭蕉 いつだったか、山径のスミレとウグイスに誘われて、ついつい深く登ってしまったことがあった。山路ならずとも外来種のはびこる野辺でスミレに会うと、やはりなにやらゆかしい。 芭蕉翁は夕日を浴びて眩しそう。その傍らに「よく見れば薺花咲く垣根かな(芭蕉)」の、ナズナが実を着けて木のように立っている。 その後、稲荷の杜のサクラとツバキを見て小さな旅は終わった。 もう遠くへの旅は望むべくもないが、例え郷里に蟄居しても、「日々旅にして、旅を栖とす」。 |