2月3日 |
今年は二月三日が立春。なんだか馴れないけれど、らかんたちとともに春を迎えたくて羅漢寺に行った。 寺務所の前に飾ってある春蘭と石仏写真。いい取り合わせだな。 春蘭はご住職の丹精によるもの。 写真はプロのカメラマンの眼光によるもの。 立春の祈り…というよりも、予感と希望に満ちた光を掬って、零さじと護っているような手。ちょうどその辺りで分断された痕があるだけに、ひたむきで、せつない。 草も石も人も光を喜ぶ。つい光に浮き上がった羅漢に目がゆき、レンズが向く。それぞれがまったく異なる造形だから、光も照らしがいがあるだろう。 それにしても、このひとのこのあたま。いったい何を載せているのか。謎が照り、不思議が照る。 一列に並んでみんななんと体が薄いことか。どっしりとしたものはいない。ひょろりとして、いまにも倒れそうな前傾・後傾の羅漢も幾人か。剥落は続き、地衣類の意匠も変化し、かれらは活きている。 緊急事態宣言下で訪れる人は少ない由。この日も他に人影はなく、羅漢場に静かに春は立ち、羅漢たちも静かに春に立っていた。 |