らかんも暮れる





 12月30日


小晦日。
冬の霧が盆地の低い山にたなびく。
羅漢寺裏のクリの木もすっかり葉を落とした。





境内に入ると、マユミの実が雨上がりに美しく映える。
ワビスケは満開、こんなに…と驚くほどの花の数。地面にも散っている。





らかんたちはものしずか。
マンリョウも実と雨粒をぶら下げて。





石仏たちにも年は暮れる。
何百年も佇んで、
一人一人の懐いはどんなものだろうか。





らかんを巡っていると、小枝で書かれた「木」という文字があった。それを取り囲んで、モミジやらドングリやら。

そう言えば、以前サザンカの赤い花びらを頭に載っけて「どろん」のボーズをとっていたらかんは、今日白いワビスケで頭を飾っていた。



秋日のらかん  新年の羅漢




北条石仏