秋日のらかん





 10月26日


羅漢寺へ。
土曜日で人影もちらほら。
曇った日はみんなものしずか。マユミの実がほんのり赤い実を吊っている。





詩集『春と石仏』の表紙にお願いしたらかん。
このひとの前に立つと、もっと詩を書いて詩を生きていかなければと思う。
毎年このひとの前で白い花を着ける寒菊のように。





雲が払われて、秋の西日が射し込んできた。おひさまはこのらかんをライトアップ。
佇む、という言葉…。





このらかんにも光が。
祈りは光速で飛ぶだろう。





羅漢場東端で、背中に陽の当たる列もある。影はずいぶん長い。





もっとも顔の赤いらかん。いつも夕陽色だけれど、さらに照り輝いて。





ナンテンの葉の影が頬にくっきり。南無南天のフォーマルハウト。日が落ちたら、秋の一つ星も浮かんでくるだろう。

つやつやした黄色い葉を拾い(何の木か)、ふかふかした手触りの赤い葉(ノボタン)をお土産にいただく。



羅漢寺 3月11日  らかんも暮れる




北条石仏