紅葉ライトアップ





 11月25日


散歩がてら羅漢寺へ。紅葉ライトアップ・イベントの最終日。パステル調の夕空が暮れて、すでにローソクが灯されていた。





見事に紅葉の影が落ちた羅漢。
境内の何箇所かに照明が仕込まれて、時折色を変える。緋色や緑色にもみじが照らされる。何気なしにレンズを向けた羅漢は青に染まっていたりする。





なんとも言えない色合、表情の羅漢。宇宙的哀愁のようなものが漂う。遥かを想い、目尻に黄色の涙を溜めて…。ほんとうにたいせつなことは言葉にならない…小惑星B612の王子様もそう言うだろう。





時空遥かを見るのはこのような目だ。ものの遠近浅深をとらえるのは、このような段違いの目だ。羅漢の何人かがもつ目に、ぼくは憧れを抱いている。





照明は面白いが、やはり地明りがいい。自然光が一番だろう。
寒くなってきたので、境内の隅っこで焚いている火に当たらせてもらった。世話人たちの夜食のおにぎりが並んで炎にあぶられている。竹と山茶花の枝を火にくべていて、蕾がついているというので、一枝所望した。
「うちで咲かせます」。



ゆく秋の羅漢  正月羅漢




北条石仏