泉井小太郎 春と石仏
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12
羅漢と呼ばれて来たなら
羅漢でよかろう。
うすものの
破れ易きいのち
壊れ易きいのち。
羅漢でなければ
廃仏毀釈で
ことごとく首を落とされて
気の毒極まりない。
艱難
《
かんなん
》
の数百年、
風化剥落の姿こそ
阿羅漢果ではないのか。
これ以上無い学識ではないのか。