泉井小太郎 春と石仏[TOP][表紙][目次][前頁][次頁]



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明治になって
かれらは草藪に沈み
一帯はまむしの棲みかと恐れられた。
それも極端だが
草のない
砂利を敷いた羅漢場も味気ない。
野にあるならば
野にあるままに
虫と鳥と
風と草木にまみれたい。