詩集 北国のタンゴ


 狐・十五夜



十五夜には
雨男も
雨女も
遠慮してもらいたい

狐はそう申し述べた

じい
ばあ

泣いていいのは
虫と
赤子だけ
願わくば
ころころとよく笑う児を

もうこれが
最後の野なのだ
これきりの
お月見なのだ

どうぞ
以下のお方は
おいで願いたい

すすきのような人と
だんごのような人と

(c) kotaro izui 2001

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