詩集 北国のタンゴ


 ぶらぶら ―ブルー・モンク



春は訥々
星も鬱々

言葉少なに
挨拶交わし

路地から
路地へと
折れ曲がり

考え事もきれぎれに

空家一軒
恋猫二匹

宛はあったか
宛は行き過ぎ

朧な月に
影も持たず

用はあったか
用は投げ出し

カッ
コッ

下駄の音を沈めて

初めての
路地に分け入る

(c) kotaro izui 2001

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