鳥の句抄
―2―

揚雲雀三重五重の塔ひかる

忽ちに燕山河となりにけり

のどかさや鳶の楕円派真円派

郭公のけふは托卵日和かな

魂はややうら声の青葉木菟

黒南風や鳰の子潜り習ひ初む

レンジャク

カラ遊ぶ木立の中の絵本館

山翡翠の冠羽に秋の風少し

信濃路や鵙に追はるる四十雀

二百羽と大まかなれど鳥渡る

赤啄木鳥を点じて夕の枯木立

鴨うかと昼寝の堰を落ちにけり

艸々子

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[nature] [俳句] [貘祭書屋]