揚雲雀三重五重の塔ひかる
忽ちに燕山河となりにけり
のどかさや鳶の楕円派真円派
郭公のけふは托卵日和かな
魂はややうら声の青葉木菟
黒南風や鳰の子潜り習ひ初む
カラ遊ぶ木立の中の絵本館
山翡翠の冠羽に秋の風少し
信濃路や鵙に追はるる四十雀
二百羽と大まかなれど鳥渡る
赤啄木鳥を点じて夕の枯木立
鴨うかと昼寝の堰を落ちにけり