賢治祭の星


毎年賢治の忌日になると、空が晴れていれば星を見ます。
1993年に金沢でも「賢治祭」を行うようになってからは、星空観望はメインイベントの一つにもなりました。
この頃は、アンドロメダ星雲の季節です。
ラムプのアルコホルをシュウシュと噴かせた、渦巻く銀河です。
カシオペアもガラスの水車をキッキと回していきます。
琴や白鳥も名残りに輝き、夜更ければ昴やオリオンの初々しい姿。
南にはただただ広い鯨座の淋しげな空間、そこに変光星ミラの赤々とした姿を見る年もあります。
ペルセウス座写真

1995年9月21日 長野県南安曇郡穂高町有明

上の写真は、都合で「賢治祭」に参加出来なかった年の旅先での星空写真です。
ペルセウス座あたり、画面左上にはカシオペア座の一部も写っています。
「人」という文字に何となく似たこの星座には、修羅の星アルゴルがいて、
ぼっーと霞んだ「杉菜の胞子ほどの」美しい双子の星団が並んでいます。
これをチュンセ童子とポウセ童子とする考えも面白いと思います。
また、天上の石こ賢さんと、やさしいトシと見るのも感慨深いものです。



以下は、ここ数年の9月21日の簡単な星空フィールドノートです。

1992年(金沢市自宅)

アルビレオ・・・・・賢治忌のトパーズとサファイアの輝き。西天。 
アラマク・・・・・・天頂に静かなオレンジとブルーの美しい一対。 
二重星団・・・・・・北のh星団が殊に輝く。185倍で中心部観望。 
アンドロメダ星雲・・双眼鏡で広がった光芒。渦巻く心象。秋と修羅。
ミラ・・・・・・・・夏から殊に親しむ。極大過ぎの4等級。    
オリオン大星雲・・・星雲の色うっすらと赤味!高倍率でも鮮明。  
オリオン座δ星・・・・たっぷりと離れて、伴星の色青色で美しい。  



1993年(イーハ陶房)

アルビレオ・・・・・低倍(25倍)での美しさは格別。星像が鋭い。  
          「花粉ぐらいの二つの星が童話のやうに婚約する」
土星・・・・・・・・高倍では視野から外れやすく、50倍で観望。  
          環を見るのが初めての人も幾人か。チタン、西。
          「ぼくがあいつ(土星)を恋するために」   
アンドロメダ星雲・・双眼鏡でもまあまあの見え味。25倍で茫と輝く。
          「アンドロメダ、おまえのランプのアルコホル」



1995年(穂高町有明)

木星・・・・・・・・山際の一番星。蠍座から再び蛇使い座へ順行中。
天の川・・・・・・・安曇野の天の川。賢治忌の<銀河鉄道下り線>。
         (白鳥の停車場から蜥蜴〜ケフェウス〜カシオペア
          〜ペルセウス〜馭者まで)          
アンドロメダ星雲・・ランプのアルコホルを噴かして遥かな闇を飾る。
昴・・・・・・・・・7人の座敷童子。いつの間にか一人いない?  
ヒアデス・・・・・・7人の座敷童女。いつの間にか美しい舞姫が? 
     

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