ふうら天地

八風羅

八風羅




ほおずきやキハダの皮やコーヒー豆など、なんでも漉き混んでしまう能登の爺さん。
さすがにそんな実験紙は額縁のマット代わりに使うしかありませんが、画仙紙は、杉と翌檜。これがまたこわくぶ厚く描きにくく。フェルトのような手触りで、柔い筆など相手にしてくれません。一束ほとんど描き損じて、やっと難しい紙に、難しい山馬筆をぶつけてこなしました。
この紙、墨は塗ると汚く、叩き込むと深くきれいな色に残ります。スピードとリズムが肝心で、裏からも筆の腹でビシッビシッと墨を表に通しました。
山馬筆はドラムのスティックに似て、なにやらセッションを終えたような感じでした。
八風羅はというと、気持ちよさそうに音(墨)を浴び、最後にねぎらいの拍手を贈ってくれたような…


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