ふうら散歩


(2010年)


 雪の朝 2月6日





春は立っても、氷点下の寒さ。
今朝は雪がうっすらと積もった。
雪国生まれのふうらたちは嬉しそう。

餌場に来るスズメたちが膨らんで、いつになく大きく見える。


 二日月散歩 5月15日


ふうらを連れて、二日月散歩に出る。
田中の一本道はクローバーの花盛り。
受粉した花から下を向いて、この頃の色合いが美しい。
ヒバリが案外な近さで囀りながら上り下りする。





村を抜けて林道に入ると、早速エナガとメジロの混群。
ヤマガラも頭上の枝に来る。
溜池が四つ連なる。一つは水を抜いてある。
カワセミの好みそうなポイントはあるが、
水上を飛翔するのはツバメのみ。

イイトコネー、イイトコネーという美声に釣られて奥へ。
相棒がギンリョウソウ(銀竜草)を発見。
十五年ほど前に白馬村の林で邂逅して以来である。
あの時もふうらがいたっけ。
美声の主は三、四羽。
イカルなら姿を見られるとさらに分け入れども叶わず。
キビタキ、ウグイスの歌に慰められながら帰途に。





二日月の方は、薄雲で出発時から諦めていたのを、
六時を過ぎてやや雲が切れだしたので、
見晴らしのいい場所でひとり粘ってみることに。
別の峠への坂道、崖の茂みに十数組のスズメの親子がいて、
夕餉の賑わい。(今朝はわが裏庭にも一番子が初登場)
夕日は沈み、月はいっこうに現れなくても、
この黄昏のひなたちの騒がしさにしばし時間を忘れた。



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ふうら逍遥