柿の葉舟再び





 12月1日


田圃道の三本柿。
木守柿も無く、僅かな葉が残るのみ。
枯葉の虫喰穴と、夕べの細い月。上空に飛ぶ鳥のだれか。





この柿には、舟のような丸く窪んだ葉ができやすく、毎年それを楽しみにしていた。柿の葉舟といって、ふうらもそれを喜んだ。そんな葉が一枚だけ色も鮮やかに残っていた。





さっそくふうらが乗り込んで舟旅に出る。
柿の葉舟は、水分が無くなってカサカサになると変形する。乗ったらできるだけ遠くへゆくこと。水の上でも、雲の上でもいい。





人気があるから、みんな乗りたがる。小さなふうらの特権でもある。



新雲 アタラシウム  ふうらの春




ふうら逍遥