山は をぐら山。かせ山。みかさ山。このくれ山。いりたちの山。わすれずの山。すゑの松山。 かたさり山こそ、いかならんとをかしけれ。いつはた山。かへる山。のちせの山。あさくら山、 よそに見るぞをかしき。おほひれ山もをかし。臨時の祭の舞人などのおもひ出でらるるなるべし。三輪の山をかし。たむけ山。まちかね山。たまさか山。みみなし山。
−清少納言「枕草子・第13段」 2