泉井小太郎 春と石仏
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35
親が見たけら
北条の西の
五百羅漢の堂に御座れ
俗謡どおり
誰かに似た羅漢はいるだろう。
けれどここでは
顔かたちはもとより
もっと心持ちのような
まあ魂とも言ってもいいものが
どこかしら通う、
そんな羅漢がいるのが
お互いにうれしいのじゃないか。