泉井小太郎 春と石仏
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その頃は
野の国宝どころか
町の文化財ですらなかった。
だれでも入れたが
訪れる人を見たことはない。
「エデンの海」の作家が
初めて羅漢場に立ったのは
昭和三十五年五月。
入口左隣の
バラック教室で
ぼくは英語を習い始めたばかり。