泉井小太郎 春と石仏[TOP][表紙][目次][前頁][次頁]



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シメがひっそり
梢で啄んでいることもあれば、
エナガやシジュウカラが
賑やかに渡っていることもある。
庭木が少なく
小鳥に楽しい町ではないが、
せめて羅漢寺には来て欲しい。
麗しい声で
「イイトコネー」と
イカルが鳴いたりすると、
本当にそう思えて
何処にも行けない羅漢たちは
ちょっとうれしくなると思う。