風船乗りの夢 萩原朔太郎(詩) |
『定本青猫』(1936年)所収。 明るい陽光の中の愁い。朔太郎の夜と昼という言い方をすると、昼の部類。倦怠と夢想。 どこか「愁ひつつ岡にのぼれば花いばら」の句を連想させるのは、さすが『郷愁の詩人与謝蕪村』の著者。 気球に旧暦の暦と酒瓶を持ち込んで、 ふしぎにさびしい宇宙のはてを 友だちもなく ふはりふはりと昇って行こうよ。 わずか20行にも満たない作品ですが、なぜか愛着があり、ポエムレットに仕立てました。 きっかけは青空文庫内の「ちへいせん」での連載講座「楽しい電子ルリユール教室」。その実践編の第一回に指名され、この詩を電子本(TTZ)に仕立てる手順を解説、同時に本棚にも並びました。 現在「ちへいせん」は消滅、TTZも表舞台からは去りました。この本の味はePubでの再現は難しいので、PDFに変換しました。 |
(立ち読み:完全版)