小詩集 茫茫 ―男が…泣いている 泉井小太郎 |
茶碗の中で 男が泣いている 焼き締めた 大振りの いい飯茶碗である 世紀の変わり目に書いた、男たちの哀愁、哀切のポエトリー・ロマン。 茶碗 ぐい呑 蓬生う 蕩児の祭 鬼 ロマンとは言っても、掌篇短篇、漫画やアニメにしても味わえそうな、ジャンルのよく解らない作品。 ことに「茶碗」「ぐい呑」「鬼」など。内容も悲しき男たちの風景で、ちっとも浪漫的ではない。 どちらかと言えば、つげ義春の世界にも通う寂寥、ポエトリー・ブルースであるかもしれない。 ──「あとがき」より |