詩集 星梵論

  泉井小太郎


 「星梵論」1988 - 1989
 「星の譜」1990 - 1992
 二冊の星の詩集を一冊にまとめました。
 
 野焼きの夜に天空に輝いた火の星、
 火星とアンタレス。その二星に導かれて
 星の世界に分け入りました。
 この一冊は天文初心者の星恋の記録です。
 
 巻末に同時期に詠んだ星の俳句を収録。
 



オンデマンド印刷による紙本です。



10inch版
160ページ
2024年1月23日発行
2200円


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【収録詩篇】


 星鴉


星に植え
星に渇き
雨の洞

一僧狂おしく

房宿
心宿

あかあかとその光明こそは

 (略)

北から
南へ
この
星梵論

とある山頂に立ち
とある孤島に籠り

柳宿
星宿
えんえんと唱う星の名虚しからず

 (略)




 銀河祭 M37


きらきらと世界はあった。
人知れず、
遥かな靄に包まれて。

若い炎と、
若い重力。
全てはこれから、
光も闇も賑やかに。

孤独になるには長い道程がいる。

・・・・・・・・・・

きらきらと心があった。
こんな、
すぐの遠くに密やかに。

躍る粒子の、
回る銀河の、
そこともここともつかず。

ただただ、途方もない闇に充たされて。




 星旅 カノープス


房総の風
黒潮の波

渦巻くものに渦巻かれて

二月
布良
ここに立っている

 *

月齢12.7

蟹座
鬼宿

思いの外明るい浜に
心は打ち上げられて

 *

潮騒に濡れ
何かを待つ

天狼の遠吠え
難破船の軋み

月光に濡れ
確かに
誰かを待っている

(以下略)






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