詩集 風炎ラジオ

  泉井小太郎


 1980年前後の詩をまとめました。
 詩作にも朗読にも意欲的前衛的だった頃の作品です。
 古典的な素材から、フリー・ジャズ風の記録まで、
 リズムとイマジネーションの放浪・実験詩集。
 
 ・旅         3篇
 ・ラジオ曲打歌    3篇
 ・気象日録      3篇
 ・哀雲・カナシウム  14篇
 ・風炎紀行      3篇
 ・うらまち逍遥    10篇




オンデマンド印刷による紙本です。



10inch版
192ページ
2023年6月7日発行
2200円

*(直接お申し込み下されば現在1800円+送料でおわけします)*


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【収録詩篇】


 ラジオ局打歌


打歌で
あった
と思う
打歌の山の
露と
下草
ひとり発する古人のラジオ局
であった
と思う

五月一日
未明

まずは
 まゐまう

古人がうたい
遠く
木腹を叩く音も連続し



 
 山中深く
 病院が有り
 山吹の
 黄を吹く
 病人が有り

   やさしくこころを傾けるように

   なるたけ一筆書きで行くように

誰に降るのか
ねんごろな注意も与えられ
さらに
 まゐまう
 
 (・・・以下略・・・)




 気象日録


ニ─weary blues

もう、
どこ、
さた、

くたが
の、
よ、
かの女の
め、
て、
・・・びるに

びる
びれた

三月某日
瀕死のドラム

水がおいしい



 嵐・深夜ラジオ


#1

風が
吠える
・・・・と

彼女は幾度も
茶を
入れ替え

外は、雪
深夜ラジオに降りつもり


#2

唄が
震える

・・・・と
彼女が喋る

風雑り
雪雑り

(・・・略・・・)

#7

雪と
風、

彼女の
無言

そして、雷

また、雷

さらに、雷






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