嵐・深夜ラジオ
ジョン・レノン・メモリアル
―(日本時間)1980.12.15 4:00 am
#1
風が
吠える
・・・・と
彼女は幾度も
茶を
入れ替え
外は、雪
深夜ラジオに降りつもり
#2
唄が
震える
・・・・と
彼女が喋る
風雑り
雪雑り
#3
コレハモウ
タンポポノ綿毛デハナイ
#4
雪になり
霰になり
ノイズ激しく
χ半球は、冬
氷点に
唄って
#5
・・・・と
#6
(黙祷する)
#7
雪と
風、
彼女の
無言
そして、雷
また、雷
さらに、雷
一九八〇年一二月一四日午後二時、
(日本時間一二月一五日午前四時)
ジョン・レノンに黙祷を捧げようと、
ヨーコ・オノが世界に呼び掛けた。
凶弾に倒れてから六日目の日曜日、
NYのセントラル・パークでの集会に合わせて、
世界一斉にそれぞれの現地時間で、と提案した。
その時刻、北陸はひどい嵐模様、
ラジオはレノンの歌を繰り返し、
時折、激しいノイズも混じった。
ひとりは黙って絵を描き、
ひとりはそれを詩に綴った。
そんなローカルなメモリアルである。
絵・音座マリカ
詩・泉井小太郎
貘祭書屋/
詩画