雲と獏獏 天の川の 西の岸ではないが、 獏が八頭いて 釣鐘を護っている。 月も昴も オリオンも西に傾く頃、 その鐘を撞くのだ。 撞けば 星空でも応えて 巨きな美しい釣鐘が鳴る。 雲 元日の空で 雲が しばらく円相を描いた。 雲のことだから 飽きやすく 壊れやすい。 もっと長く見たければ 夜まで待って 夏まで待って 二六〇〇光年彼方に 遙かに遙かな円相がある。 獏 二日の 日陰の路に 水溜まりが二つ。 氷が融け残って 右は獅子の 左は獏の形。 謎の羅漢に 会いに行くのだが、 境内にやっぱり そんな獅子や象がいるよ。 氷は融けても 謎は解けないけれど。 雲 三日の空に 雲は何を訝ったのか、 流れながら 疑問符になった。 何が ?なのか 一緒に考えてみたかったが、 答が出たのか 納得したのか 雲はあっさり形を変えた。 |
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