十一月の午後 空に 蠍 獅子 河童の昼寝雲 光り麗らに 山川はあり
やがて 蠍は鯉に 鯉から龍に 獅子は麒麟に 河童は天狗に 少し離れて 蟹は蟹のまま
ゆく秋の ゆく神獣たち やがて 麒麟は貘に 北東の空に 彼らは集い ゆうゆう 日本海を目指す
なんたる雲の なんたる貘の 昼寝の天狗の 日はやや傾いて さらに 一羽の鳳凰 翼を高く振り上げて 一団の彼らを追っていった