詩集 雨羅
方々
嵐の眼から
出て来たばかり
柳の
きいろいももを
旅してきたばかり
この道は
どこに行くのか
ここいらに
狂女はいないか
狂女の渡る
卵はないか
、
耳に雨
蹠に河童
、
まずは水
木の葉いちまい分の露
沼や
川は
これから捜す
(c) kotaro izui 1976