詩集 夢と天然

○―花鳥吟遊

 シロハラ ― 隠士の歌



例年裏庭で
長逗留する
朽葉を返し
土を起こし
虫を探して
明け暮れる

暗がりが好み
遠い異郷で
隠遁じみて
主も
鳥も
闖入者を喜ばない

杏が蕾むと
無骨なものにも
つやが出て

コッ
ポコ、ペコ

春は囀る
鳥であった

(c) kotaro izui 2001

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