詩集 夢と天然

○―花鳥吟遊

 サンカノゴイ ― 忍の術



葦原に
葦のごとく
枯れ立って

忍者とも
隠者とも

何が恐くて
そうまで潜むのか
保護色と
擬態で
生き抜いて
夜に
精気を取り戻す

ところで
わたしもどこか
珍鳥めいて
絶滅危惧種の如くだが
とくに
観察に来る人もない

(c) kotaro izui 2002

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