詩集 夢と天然
○―花鳥吟遊
カイツブリ
― あらぬ方へ
気がつけば
ひょっこりと
浮かんでいる
昔から
すました顔で
(ふるさとの
小さな溜池の
小さな溜息)
鳰と
古雅に呼んだら
遠く
ケレケレケレケレ と鳴く
水辺の午後に
とぷんと
思案に潜れば
わたしも長い
なるたけ
あらぬ方に浮かびたい
(c) kotaro izui 2002
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