詩集 夢と天然

○―花鳥吟遊

 アオジ ― 朝の耳



ツッと
微かな声を拾う
朝の耳は
やさしくすなお
いや
やさしい音にすなおなのだ
すなおな音にやさしいのだ
ツッと
しばらくして
また声がする

もの思いにも
一晩のごみは出る
それを仕分けして
片づけたばかりだったか

ツッと
まだ声は
そのあたりにいて
わたしは
波も風も立てないでいる

(c) kotaro izui 2001

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