詩集 弦想

 六月



   ―テイク3


     耳に
  六月の
      ラッパ
        とても
    グロな
 花

 盥なんか破ってしまうん
だよ、
   傘も伏せ字も破れて
しまうね、
     耳に浮かべたシ
ンバルなんか破傷風にかか
ってしまう、
      らっ、
         とうす
ものの
   仰天があって、
          坊も
女御も
   濁る裸体の
        非ラッパ
、六月の耳空、雨空に、
           う
わっ、うわっ、
    ・・・やさしい声
で、「こんばんわ」



(c) kotaro izui 1979