詩集 弦想
今出川
その川は
どこから入る?
ビンの口から
花を毟って
「雨じゃ
五六の
石じゃ」
汽車の真似して
ごうごうと
まずは、「火」を泣かなければならぬ
あれは
るいるい
水の死骸、わらの死骸
女人ひとり
六月のネックレスの、じゃらっ
読経をあげる風でもない
川とはいっても
一体、何が流れているのか
南へ
南へ傾いて
首を折る木がやけに増えている
(c) kotaro izui 1979