詩集 オリオンの扉
オリオンの扉
大いなる扉がある。
寒空に佇み、凍った手足を舞踏させながら
私は夢む。
ゴッホは、八月の夕に西空へ歩をとった。
行く手に沈む北斗の古ぼけた車に向かって急いだはずである。
旅。
新しい経験。新しい知覚。
いつの日か、
この惑星を出て、
銀河系をやや外よりに歩をすすめ、
私は、オリオンの扉をそっと開くだろう。
(c) kotaro izui 1994
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